最近郵便局が提供する、「みまもりサービス」の自爆営業が話題になりました。
郵便局側はノルマをなくすことで、こういった自爆営業が起こらないよう対策したそう。
そもそも自爆営業の強要は違法ですし、こういう文化は今後なくなってほしいですね…!
ちなみにノルマを達成するため、営業社員自ら契約するというのは、営業の世界では割と見られたりします。
僕自身も営業を7年半ほどやってきましたが、自爆営業する人を何人も見てきましたし、僕自身もやらされそうになりました。
こういうのって結果を出せば逃れられるものでもなく、強要されると結構苦しいんです。。。
なので今回は自爆営業が横行する理由と逃れる方法について、記事を書いていきます。
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自爆営業は何故横行する?
何故自爆営業が横行するのか、個人的には大きく以下の3つだと考えています。
・ノルマが厳しい
・営業チームの能力が低い
・サービスの質が競合よりも低い
まずはそれぞれについて、解説をしていきます。
ノルマが厳しい
まずは根本の原因である、ノルマの厳しさから挙げていきましょう。
ノルマさえなければ、そもそも自爆営業は起こり得ませんからね。
ちなみにこの「ノルマが厳しい」は2通りの意味があり、
・目標数値が高い
・達成への強制感が強い
この2つが重なることで、「今月の達成厳しそうだから、悪いけど◯◯さん契約してくれない?」みたいな流れが生まれます。
健全ではない会社、あるいはパワハラ的な上司がいることで、自爆営業の流れができてしまうのです。
営業チームの能力が低い
例外もありますが、自爆営業をしている人たちは、比較的能力が低い営業チームに属しているのを感じます。
これは個々人の優劣というより、指示を出す管理職の能力というイメージです。
能力の高い上司であれば、部下や自分が自爆営業をしないよう、しっかり結果を出しますからね。
自爆営業を促す理由の中には、ノルマ達成だけではなく、他のチームに追いつくためというパターンもあったりします。
極端な例では、「全員で契約すれば、今月1位取れる!」といって、チームメンバーに自爆営業を迫る人もいました(°_°)
個人的には実力で勝負できない人が、自爆営業を強要するものだと考えています。
サービスの質が競合よりも低い
そもそもサービスの質が低すぎて、自分たちで買わざるを得ないということもあります。
今回の郵便局の自爆営業も、まさにこのパターンですね。
(正直サービスのレベルとしては、競合他社の方がよさそうですし…)
ただ、営業マンとしてはそれでも売らないといけないですし、旧態依然な会社ほど改善も訴えられません。
そして上層部で「何で売れないんだ!」という議題が上がった際も、結局「営業が頑張ればいい」というゴリ押しな解決法に至りがちです。
正直一理あるのですが、サービスの質が低ければ売るのも大変ですし、売るモチベーションだって保てなくなります。
結果としてノルマを達成できず、自爆営業に走ってしまうわけですね。。。
自爆営業している上司がいると、強制感が生まれる
自爆営業の流れを作るのは、確かに環境による面が大きいですが、実行するのは営業チームを管理する上司です。
上司が優秀かつ倫理観の強い人なら、会社の体制がどうであれ、チーム内で自爆営業は発生しません。
究極的に自爆営業が起こるかどうかは、上司次第と言っても過言ではないでしょう。
ではどういう上司が自爆営業を強要するかというと、やはり過去に自爆営業をしていたり、もしくは現在進行形で行っている上司です。
「俺がやってるんだから、お前もやれよ」
こういう同調圧力が、上司から部下に伝わっていき、更に同僚やその部下へと派生していきます。
恐らく自爆営業が企業文化となっているところは、こんな風に自爆営業への強制感が生まれているでしょう。
よほど条件のいい会社でない限り、こういう会社からは抜け出した方がいいかもしれません。。。
自爆営業は成績優秀者でも逃れられない
自爆営業は一人だけがするのではなく、営業チーム全体で行われるものです。
そのため、優秀な成績を出せば逃れられるというものでもなかったりします。
日本人の「みんなやってるんだから」は、かなりの強制力を生みますからね(*_*)
それに成績優秀者だって、毎月トップの成績を出せるとは限りません。
調子がいい月もあれば、どうしても空回りしてしまう月だってあるものです。
「自分は結果出してるから」と逃れていても、そのうち自爆営業をしている社員に抜かれるタイミングがきてしまいます。
よほど周りとの実力差がない限り、成績を盾にするのも限界があるわけです。
「自爆営業は絶対しません」という姿勢を見せること
僕自身も、過去に一度だけ(といっても半年くらい)自爆営業をするチームにいたことがありました。
その時、自爆営業から身を守るには、成績よりもスタンスの方が重要だと悟りました。
つまり、「結果出せばいいんでしょ?」ではなくて、「周りはどうあれ自分はやりません」という姿勢でいる方が大事なんです。
これは言葉にすると簡単ですが、実行するのは結構難しさを感じました。
自爆営業は誰しもやりたくないですが、その分誰か逃れる人間がいると、その人を許せないと思う人が出てくるものです。
言葉には出しませんが、「お前だけずるい!」「みんなやってるのに」という感情って、一緒にいれば確実に伝わりますからね。。。
ただ、それでも自爆営業をしない姿勢を貫くことが、唯一の対策であることには変わりありません。
そして同調圧力を緩和する方法は、
・チームメンバー(特に上司)から好かれること
・最低限の結果は出していること
・唯我独尊なキャラでいること
だと考えています。
この3つがあれば、「あいつは変わり者だからしょうがない」という感じになっていくからです。
(僕はこれで自爆営業を逃れましたw)
ただ、いずれにしても面倒くさいので、その環境から抜ける手段を考えた方が得策かもしれませんね…!
自爆営業って違法じゃないの?
最後になりますが、自爆営業が違法じゃないのかという話もしたいと思います。
結論から言うと違法なのですが、しかし実際に違法となるケースは稀でしょう。
理由は、「自爆営業を強要された」という証言が、恐らく従業員から出てこないからです。
自爆営業をしている人たちには、端的にいうと「そうまでして会社にいたい」理由があります。
それは家族を守るためかもしれませんし、将来的なキャリア形成のためかもしれません。
理由はどうであれ、自爆営業に対して訴えを起こすことで、それらを失うと考えているわけです。
(そして実際失う可能性も高いでしょう)
なので自爆営業している社員から、「自爆営業を強要された」という言葉は、なかなか出てくることはありません。
それに上層部が「強要していない」と言えば、社員が成績のため勝手にやったとも見做されます。
なので自爆営業が違法となるケースは、実態よりもずっと少ないんです。
自爆営業はしないように
ということで、今回はタイムリーな自爆営業について記事を書いてみました!
自爆営業から逃れるのは、言葉で言うよりも難しいものですが、本来はやる必要のない行為です。
それに自分がやらなくなると、周りにもやらない人間が現れ始めるので、好循環が生まれるとも思っています。
自爆営業をなくすためには、もちろん企業努力も大事なのですが、やはり自分や周りの意識を変える方が現実的かもしれませんね。