どういう人が採用担当をするかは、企業によって結構ばらつきがあります。
人事担当がするところもあれば、社長や部門長が全て行うところもありますし、メガベンチャー系は割と(ほとんど?)元トップセールスが担当に周っていますね。
いずれにしても、担当者と企業の印象は直結しますので、どういう人が採用担当になるかはかなり重要です。
僕は以前人材会社に勤め、次の職場でも採用担当を兼務しましたが、その中で大切だと感じたのは「相手からも評価されている」という意識でした。
採用担当という立場になると、どうしても「求職者を見抜こうとする」というか、一方的に判断しようとする考えが働きます。
もちろんそれも採用の上で大事なのですが、本来採用面接の場というのは、「お互いを見る場」であると個人的には思うんですよね。
ということで、採用面接は「企業が求職者を一方的に評価する場」ではないという話を書いていきます。
採用担当をされている方だけでなく、現在就職・転職活動をされている方にも、何かしら参考になれば幸いです。
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採用面接はお互いを評価する場
この記事を読んでいる方の中にも、採用面接で求職者を一方的に評価していたり、あるいはされた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
企業と雇用者という立場から、そこに上下関係が生まれてしまう要素はありますが、本来は対等な立場であるはずです。
一方的に他人を評価しようというスタンスの人は、採用担当に向いてないかなと僕は思っています。
採用担当の目線で、相手を評価することは確かに間違っていませんが、相手もこちらを評価していることは意識した方がいいです。
こういう意識がない人は、求職者と対等に接しようとしないので、相手にどこか傲慢さを感じさせてしまいます。
これはどれだけ丁寧に対応しても必ず伝わりますし、そういう人が採用担当をしていれば、求職者は心からその企業に入りたいとは思わないでしょう。
大手企業ならともかく、中小企業でこれをやってしまったら、まずいい採用はできないと思います。
採用担当は「自分は評価する立場」という勘違いを起こしやすい
採用担当というのは、立ち位置として「求職者を評価する側」にあります。
これが余計に勘違いを引き起こしやすくて、気づかないうちに「自分は評価する立場だ」という意識が芽生えやすいです。
正直僕自身も、そんな風になっていると上司から指摘され、反省した時期がありました。
(振り返って初めて気付けたのですが…)
採用のプロセスには、面接の手前に書類選考があって、ここは完全に一方的な評価しかできない場です。
そこで求職者をあれこれ評価するわけですが、自分は評価する立場だという意識は、この段階で芽生えやすいと感じました。
「この人の経歴はすごい」「この人はうちには合わなそう」などと判断しているうちに、傲慢な姿勢が培われていくのかもしれません。
更に面接に来る方も、当然こちら以上に低姿勢で臨むわけです。
そういう環境なので、採用担当は傲慢になりやすく、またそうなっていることに気づきにくいのだと感じます。
傲慢な採用担当にならないための対策
傲慢な採用担当にならないための対策は、結論からいうと導入部分のトークスクリプトを固めることです。
「意識する」という精神論の対策は、ほとんどの場合で意味を成しませんからね。
今回のケースも、最初に言葉として伝えてしまう方が、確実にこちらの意識も変わっていくはずです。
ちなみに僕が使っていたトークスクリプトは、以下のような感じです。
※冒頭にアイスブレイク(信頼関係を作る、緊張をほぐす行為)を挟みます
面接を始める前に、お伝えしたいことが3つあります。
1つ目は、今回の面接は私が◯◯さんを見る場でもありますが、◯◯さんが私を見る場でもあります。
なので、形式上こちらから質問していきますが、途中で何か疑問に思ったこと、引っかかった点があれば、遠慮なく質問を挟んでいただいて大丈夫です。
(残り2つは、「言いたくないことは言わなくていいですよ」というのと、それから個人情報の取り扱い関係です)
多分もっといい伝え方、あなたらしい伝え方があると思いますので、あくまで参考程度にw
ただし、予め言葉としてこのようなことを伝えれば、自然と「こちらも見られている側なんだ」という意識が芽生えます。
それに相手も言葉として伝えられた方が安心すると思いますので、採用担当をされている方はぜひ参考にしてみてください。
「評価するための質問」は後
お互いを評価する場といっても、採用側としては切り込んだ質問もしていかなければなりません。
言い方を変えれば、こちらが判断材料を集めるために必要な、「評価するための質問」です。
相手の考えに深く突っ込んだり、企業文化に合うかどうかだったり、時には厳しい質問をぶつけるかもしれません。
こういうのも間違いなく必要なのですが、しかしタイミングとしては後の方がいいでしょう。
仮に一次面接と二次面接があれば、一次面接はこちらのことを知ってもらい、また好きになってもらう場とします。
(お互いを知る場として、情報を開示していきます)
そして信頼関係ができた二次面接の場で、切り込んだ質問をしていくのが望ましいです。
これは急に変えるのではなく、反比例するように少しずつ変化させていくのがコツで、一回の面接でも対応できると思います。
一方的に評価せず、お互いを理解しよう
ということで、今回は採用面接についての記事を書いてみました。
いい企業であれば、言われなくても実践しているところは多いですが、環境次第では意外と気付けない部分だと思います。
もし採用担当として、求職者を一方的に評価していると感じたら、今回ご紹介した方法を一度試してみてほしいです。
それから就職・転職活動をしている方で、もし一方的に評価されている、見下されているような感じがしたら、入社は控えた方がいいかもしれません。
面接官の態度には社風が出やすいですし、また注意してくれる社長や上司がいない証拠でもあるので、いい企業である確率は低いでしょう。
やはりお互いのことを深く知って、相思相愛になった上で働くのが望ましいですね。