以前他の記事でも触れましたが、近年高齢者が投資詐欺に遭うケースが非常に多くなっています。
お金をたくさん持っているが、漠然とした老後の不安も感じている…
そういった人が投資に興味を持つのは当然ですが、同時にそういう人たちを狙った商売が生まれるのも必然なのです。
なので投資は始めるなら早い方がいいものの、焦って投資詐欺に遭わないようにだけは気をつけてほしいと思います。
今回は高齢の方向けに、投資詐欺に遭わないための心構えをまとめましたので、投資を考えている方は参考にしてみてください。
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高齢者を狙った投資詐欺は増えている
以前僕は投資案件の仲介をしていたので、勉強がてら投資セミナーなどに顔を出すことがありました。
そこには20〜40代くらいの人もそれなりにいましたが、どこの会場も半数以上は高齢者でした。
特に定年退職を迎えたであろう60代と見られる方が、割合としては多かったですね。
この年代から投資を始めようとしている方は、知識はないもののお金はそれなりに持っています。
退職金で一気に大金が入り込み、そのお金を運用しようと考えている方も少なくありません。
そしてこういう人たちは、詐欺を企んでいる人からとても狙われやすいです。
よくわからない企業ならともかく、大手銀行や証券会社も平気で詐欺案件を紹介してきますので、高齢者の投資詐欺被害は増える一向となっています。
日本全体で投資ムードが高まっていますが、同時に高齢者を狙った投資詐欺も増えていることは、頭に入れておいていただきたいです。
高齢者は投資詐欺に遭いやすい
ちなみに高齢者が投資詐欺に遭いやすい理由は、大きく分けて以下の3つです。
1.投資に関する情報が少ない
2.老後の不安を感じている
3.お金を持っている
これらについて、それぞれ説明していきます。
1.投資に関する情報が少ない
高齢の方は人生経験が豊富ですし、若い人に比べて知識もたくさんあります。
しかし、投資を初めて経験するのであれば、その点に関しては初心者に近いわけです。
その場合、若い人はインターネットで多様な情報を集められますが、高齢の方は投資セミナーの講師、銀行の営業マンなどの言うことしか判断材料がありません。
このページを見ているような方なら大丈夫だと思いますが、情報量が少ないほど詐欺には遭いやすいので、その点は注意していただきたいです。
2.老後の不安を感じている
老後の不安を感じていることも、詐欺被害を招く原因となります。
老後の不安を感じることは悪いことではありませんが、不安は強ければ強いほど正常な判断ができなくなるものです。
喉カラカラの状態で水を出されれば飛びついてしまいますが、それが塩水や毒薬ということも、投資の世界では当たり前のようにあります。
投資資金はこれからの生活を支える大切なお金ですから、じっくり考えて投資を始めていただきたいです。
3.お金を持っている
高齢になれば定年退職で一気にお金が入りますし、貯金もある程度ある場合がほとんどです。
更に年金で生活が賄える状況なら、投資も気軽にチャレンジしやすくなります。
この状況はいい面もあれば悪い面もあって、「なくなっても大丈夫」と思えるほどのお金は、詐欺のような案件にも簡単に投じてしまいます。
ダメで元々と思える精神は、仕事においては大切ですが、投資においてはタブーなのです。
気持ちが大きくなるのは抑えられないにしても、正しい知識を得てから投資を始めた方がいいでしょう。
投資詐欺に遭わない5つの心構え
ではどうすれば投資詐欺に遭わずに済むのか、その心構えもまとめていきます。
これらを抑えておけば、少なくとも詐欺に引っかかることはないはずです。
なので最低限、以下の5つは守っておいてほしいと思います。
1.営業された投資案件には乗らない
僕はそれなりに有名な投資商材を売り歩いていましたが、投資や競合について学ぶうちに、以下の結論に達しました。
それは、「いい投資案件ほど営業マンがいない」ということです。
何故ならいい投資案件には、自然と投資家が集まってきますので、営業に人件費を割く必要はありません。
なのでインバウンドの(窓口となる)営業マンはいても、電話をかけてきたり訪問してくるようなことはないわけですね。
逆に中身が伴わない、ハイリスクローリターンな投資ほど、しつこい営業マンがたくさんいます。
何度も電話をかけてきたり、「一度お話だけでも…」と会う約束を取り付けようとしてくるのは、そうしないと売れない案件だからです。
中にはいいものもあるかもしれませんが、確率は相当低いでしょうから、それなら自分で株や債券を買った方が賢明でしょう。
2.手数料の高い投資には手を出さない
以前一度だけ、銀行から投資信託の営業をされましたが、その粗末すぎる内容にびっくりしたのを覚えています。
細かい部分は覚えていませんが、確か始めるだけで30万円ほど取られて、年間手数料も10万円以上かかりました。
正直「誰が手を出すんだろう…」って思いましたが、恐らくこの話に乗ってしまう人も多いのでしょう。
あまりにもお粗末な商品だったため、利回りなどの詳しいことは聞いていませんが、平均して年利3%前後が多いみたいです。
しかし、手数料も加味して考えたら1,000万円投じても2%以下になりますし、更に元本割れのリスクだってあります。
むしろ銀行の投資信託で資金を減らすパターンは、大体この元本割れによるものです。
あえて穿った見方をすると、利益が出る運用ができていないからこそ、手数料を取っているという解釈すらできますね。
少なくとも手数料の高い投資は損をする可能性が大きいので、控えめに言って割りに合わないギャンブルになります。
3.米国債の利回りを下回る投資はしない
たまに「堅実な投資」と謳って、年利1%前後の投資案件を紹介されることもありますが、これもある種の投資詐欺です。
日本では銀行の金利がほぼ0%なので、1%でも増えるならいいと考える方もいらっしゃると思います。
しかし、世界一安全な投資案件である米国債の利回りは、2019年4月現在で年利2.58%(10年)です。
ちなみに米国債はアメリカという世界一強い国の債券で、しかも元本保証型となっています。
つまりこれを下回る投資というのは、検討する価値すらないのです。
証券口座は簡単に開けますから、米国債を下回る投資をするくらいなら、証券会社を通して米国債を買っておいてください。
4.上手すぎると思った話には乗らない
基本的なことでもありますが、上手すぎると思った話にも決して乗らないことですね。
特に「絶対儲かる」「5年で回収できる」というような投資案件は、100%詐欺であるとすら言えます。
投資に「絶対」なんてありませんし、そんな美味しい投資があるのなら、見ず知らずの他人に教える訳ないですからね…!
本当にいいものなら、身内や親友にだけこっそりと教えるはずですから、そうしない時点で詐欺だと考えておきましょう。
5.無料セミナーで紹介される案件には乗らない
勉強熱心な方は、投資セミナーにも足を運ぶと思います。
セミナーには有料のものもあれば、無料で開催しているものもあって、無料だと気軽に足を運びやすいです。
内容も質の悪いものは少ないので、無料セミナーでも十分勉強はできると思います。
ただし、ここで考えていただきたいのは、無料セミナーを開催する目的です。
セミナーには何かしらの営利目的があって、無料で開催するということは、ほぼ間違いなくバックエンド商材が控えています。
(無料で集客し、集まった人にセールスを仕掛けるのは、多くのセミナーで行われていることです)
それが「投資スクールへの勧誘」の場合もあれば、「投資案件の紹介」である場合もありますが、いずれにしても無料セミナーにはセールスが控えていると思ってください。
そしてわざわざセミナーを開いて売る案件は、1で書いた営業マンからの紹介と同じく、ほとんどが粗悪な内容となっています。
なので無料セミナーに行く際は、知識を身につける時間と割り切って、終了後の勧誘には乗らないことが大切です。
そういうのが苦手な方は、証券会社のセミナーあたりに行くのをおすすめします。
(投資の基礎知識や、自身で運用する方法が学べますよ)
知識があれば投資詐欺には遭わない
現在高齢者向けの投資詐欺が横行していますし、この流れは今後も続くことでしょう。
そしてオレオレ詐欺が進化し続けているように、今後思いもしないような投資詐欺の手法が生まれる可能性もあります。
ただ、どのような詐欺が生まれたとしても、基本的な知識があれば引っかかることは決してありません。
なので今回ご紹介した心構えは、ぜひ頭の片隅にでも入れておいてほしいです。
最後に改めて要点をまとめますと、
1.営業された投資案件には乗らない
2.手数料の高い投資には手を出さない
3.米国債の利回りを下回る投資はしない
4.上手すぎると思った話には乗らない
5.無料セミナーで紹介される案件には乗らない
これらのことを守って、安全な投資を行ってくださいね!
※ちなみにおすすめの投資については、以下の記事の後半部分に書いています
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