働き方についての問題が多く上がる昨今、「やりがい過労死」という言葉も出てきました。
やりがい過労死とは、文字通りやりがいを持って働き過ぎた結果、過労で亡くなってしまうものです。
本人の責任とは言い切れず、かといって監督者の責任とも言い切れない、原因の特定しにくい出来事のように感じます。
そして僕自身、進んで長時間労働をし続けていた結果、やりがいで働き過ぎることの弊害に気づくこととなりました。
全く休まずハードワークを続けていたので、もしあのまま働き続けていたら、僕もやりがい過労死をしていたかもしれません。。。
ただ、これって事前に防止できるものだと考えていますし、むしろ防止しなければならないもののように思えるんです。
なので今回は僕個人が感じた、やりがい過労死しそうなときのサインをご紹介します。
現在ハードに働かれている方、またそのご家族の方などは、何かしら参考にしていただけたら嬉しいです。
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やりがい過労死しそうなときのサイン
やりがい過労死は、「突然やってくる」みたいな意見が多いと感じます。
確かに側から見たら、前兆がないように思えるでしょう。
しかし、無意識にしても死ぬほど追い詰められているわけですから、少なくとも本人はその前兆を感じているはずなんです。
ちなみに僕自身の体験だと、自分では全く疲れていないと思っていても、やはり体は正直な反応をしていました。
始めはなんとなく気持ちが沈む程度でしたが、だんだんうつに似たような症状を感じるようになっていくんです。
常に緊張状態が続いたり、暴飲暴食に近いことをしたり、ある時は突然涙がぶわーっと溢れてくることもありました。
当時は「楽しく働いているから問題ないだろう」という感じで、特に気にしないまま働き続けましたし、当然周りの人にも言いませんでした。
表向きは何も変わらないので、恐らく周りの人も気づいていなかったと思います。
ただ、振り返ってみるとかなり危険な状況ですし、やりがい過労死に近づいているサインだったとも感じるんです。
やりがい過労死の原因は2つ
ちなみにやりがい過労死に至ってしまう原因は、大きく2つあると考えています。
その2つとは、
・好きじゃない仕事にやりがいを感じている
・職場がブラックであること
言葉だけだと誤解を生み兼ねないので、それぞれ深掘りしていきます。
好きじゃない仕事にやりがいを感じている
やりがい過労死は、本人が好きなように働いているだけでは、絶対に起こり得ないと思っています。
冷静に考えて、好きなことをしていて過労死するなんてことはないからです。
極論ですが遊びすぎて過労死する人なんて、聞いたことありませんよね(°_°)
恐らくやりがいを持って働いている本人は、自分は好きで働いていると思っているでしょう。
僕自身も、もちろんそうでした。
しかし、心の底ではもっと違うことがしたかったり、あるいは違う働き方がしたいと思っているかもしれないのです。
これは至極個人的な意見ですが、やりがいとは好きじゃないことに無理やり楽しみを見いだすことだと考えています。
本当に好きなことをしていたら、遊びにやりがいを感じないのと同じで、そもそもやりがいなんてものは感じないはずです。
高揚感は感じますが、それは「やりがい」ではなく、「ワクワク」「楽しい」といったような感情です。
(似てるので、余計に判断が難しいのですが…)
誤解してほしくないのは、やりがいを持って働くのが悪いとは思わないですし、むしろ前向きでいいと思っています。
ただ、今感じている「やりがい」が「好き」と同義であるのか、一度心の奥底に訪ねてほしいです。
仮に違ってもいいのですが、その仕事に人生を捧げてしまうのは、少なくともやめておいた方がいいかもしれません。
それよりも、もっと趣味や家族との時間など、余暇を楽しんでほしいです。
職場がブラックであること
これは当然といえば当然なのですが、もう少し根が深い話であるとも感じています。
職場がブラックなだけであれば、さっさと辞めればいいだけです。
問題はブラックな環境でもやりがいを感じてしまうパターンと、それを利用する人たちの存在です。
例えブラックな職場であっても、仕事内容にやりがいを感じたり、使命感に燃えることはあります。
その中で誰かのために身を削って頑張ったり、素晴らしい意識で働いている方もたくさんいらっしゃいます。
そういう人に対し、「無理しないでね」と声をかけるのが上司の役目なのですが、残念ながらそうじゃないこともあるんですよね。。。
職場がブラックだと、一生懸命頑張っても楽になることはありませんし、むしろ利用されてしまうことも多いです。
頑張れば頑張るほど、どんどん新たな仕事を任されたりして、余計大変になっていってしまいます。
そして真面目で優しくて責任感が強い人ほど、そういう環境でも頑張ってしまい、知らず知らずに心が蝕まれてしまうのです。
例え本気で好きな仕事であっても、大量にやらされたら誰でも嫌になります。
そんな中でも、「好きで始めた仕事だから」と頑張りすぎてしまっているのであれば、少し働き方を見直した方がいいかもしれません。。。
過労死しないための対策:本人編
もしハードワークをしている方で、心になんらかの不調をきたしていると感じたら、過労死の可能性も考えるべきだと伝えたいです。
「自分は大丈夫だ」「そんなに弱い人間じゃない」は、最も危険な考え方です。
少しずつ心労が降り積もっていくことで、自分でも気がつかないうちに心がボロボロになっていることもあります。
今のまま働き続けることが危険だと感じたら、最悪退職することを考えてみてください。
家庭を持っていたりすれば、仕事を変えるのもなかなか難しいでしょうが、それでもあなたが亡くなってしまっては元も子もありません。
仕事なんていくらでもありますし、今の仕事にしがみつく意味って、それほどなかったりもするんです。
それに一度真っ白になることで、今まで見えなかった世界も見えてきますし、次の道も案外すぐ見えていると感じます。
一度しかない人生ですから、「このままでいいのかな…」と迷ったときは、思い切った方向転換も考えてみてほしいですね。
過労死しないための対策:家族編
過労死してしまうタイプの人は、恐らく弱っている姿を人に見せたりはしません。
本当に追い詰められていたり、悩みごとがあったとしても、家族の前では明るく振舞うでしょう。
本人も過労死のサインを「勘違い」程度に受け止めていたりするので、余計気づきにくい側面はあると思います。
ただ、明らかに帰ってくる時間が遅くなったり、帰ってからもずっと仕事をしていたら、本人のメンタル面にも気を使った方がいいです。
ものすごく楽しそうならいいのですが、サラリーマンのやらされ仕事の中で、そういう状況はあまり考えられません。
仕方なくやっている様子だったり、明らかに気落ちしているのを感じたら、家族のフォローが必要なタイミングだと考えていいでしょう。
家族みんなで労ったり、時には収入面のネックを解消するため、他の家族が経済的な支えになることも考えていいかと思います。
方法はその時の状況次第でしょうが、過労死は精神面の負担がから来るものなので、その負担を少しでも軽くしてあげることが大切です。
やりがい過労死は避けられる
ということで、今回はやりがい過労死について記事を書かせていただきました。
これからの時代、このやりがい過労死は減らないどころか、さらに増える可能性も懸念されます。
ただ、これは一人一人の気づきだったり、あるいは企業努力で減っていくものだとも思っています。
無理して頑張りすぎる人が増えないよう、やりがい過労死の存在と、そして避けられる術がもっと広まってほしいです。
そして自分または家族にこのような兆候を感じたら、今の環境から逃げる選択も、時には許容してくださいね…!